浪漫を感じずにはいられない無骨なローテクウェア。
ハイテクな化繊素材、動きやすい機能的な作りなど
使いやすさだったり利便性においては、
現代の洋服に軍配が上がりますが、
ごわごわ、着づらく、重い...だけども"カッコいい洋服"。
そんなローテクウェアに強い憧れを感じる方も多いのではないでしょうか。
進歩する現代の洋服とは対極にあるものの
元祖/オリジナルとしての存在価値は唯一無二な
ヴィンテージローテクウェア。
まずは冒頭の写真、詩人・小説家・劇作家と
数多の顔を持つ男、仏ジャンコクトーが着ていた、
1942 Dated 40's Vintage Royal Navy Duffle Coat
Color : Ecru , Size : 3
Price : ¥300,000 (Taxin ¥330,000)
こちらのコートからご紹介していこうと思います。
トグルボタンだけど、へちま襟でショート丈...
ご存じない方だと、なにこれ?なデザインですが、
実はこちら40年代英国海軍のダッフルコート。
現在のダッフルコートの始祖とも言われる
元祖ダッフルコートの名品中の名品ですね。
程よく厚みのあるタフなメルトン時に
前述へちま襟とフロントはレザーではなくロープのループ、
木製のトグルボタン。
そして両腰にはパッチドポケット。
グローバーオール等のダッフルだとフラップ付きですが、
この潔いシンプルさが良いですね。
内側はアンラインド。
トグルがついた裏側には当時のホワイトドリル生地が充てられた
ミリタリーウェアらしい堅牢な素材使いもグッときます。
また状態としましては、
↑のような多少の汚れ、
ウールの目が浮き出ている箇所などありますが、
壊滅的なダメージなどはなく、
このトグル&ロープの状態からも
コンディションの良さが窺い知れるのではないでしょうか。
やっぱりすこぶる古い物になると
着用時のデザインが今の空気感とあってないような
いわば一般的に "形が良くない" とされる洋服も当然ながら存在しますが、
Model : 173cm / 73kg
名品と言われる理由が分かるこのシルエットの良さ。
僕でややゆったり目で丁度良い塩梅に着れます。
クラシックにトラウザーと合わせるのもいいですが、
サラッとデニムで合わせれたら乙ですね。
前ぶりなデザインなので、
このバサッと感が良い。
形容の仕方が難しいですが、このバサッと感が良いんです(笑)
今となってはかなり希少価値が高くなった同アイテム。
お探しの方はこの機会に是非。
続いても英国海軍のダッフルで、
1944 Dated 40's Vintage Royal Navy
"Monty" Duffle Coat Made in England
Color : Camel , Size : 1 (L~くらい)
Price : ¥48,000 (Taxin ¥52,800)
こちらも名品中の名品、"Monty" モデル。
先程のダッフルが珍しいディテールだけに
こちらの馴染あるデザインだとどこかほっとしますね(笑)
ですが、こちらもかなり古い個体で、
1944年の表記が確認できる40年代ヴィンテージ。
この Monty モデル自体、当時は2種類ほど製造されており、
後述する個体はフード周りにスナップボタンが付きますが、
こちらはスナップボタンが付かず、
首元のチンストも付かないシンプルなデザイン。
また生地も肉厚、というか極厚なメルトン生地なのですが、
こちらは生地に縮絨が掛けられており、
毛羽立ち、起毛感が強くなったタイプ。
80年ほど経年もあるせいか、
その見た目はまるでシャギードッグのような独特な風合いに。
第一トグル下には 英国海軍予備員 (Royal Naval Volunteer Reserve)
のバッジが付けられているので、後付けかもしれませんが、
恐らくそういった予備部隊にも支給されていたんでしょうね。
Model : 173cm / 73kg
この迫力、たまんねぇっす。
ショルダー部分は生地が二枚重ね合わせており、
なおかつフラットなパターニングのこの一枚。
肩回りにボリュームを持たせた作りは、
今の意図的にデザインされたシルエットとはまた異なる
リアルギアとしての "自然な美しさ" を感じます。
また圧倒的に大きいサイズが多い中、
こちらは最小サイズの 1 と希少な個体。
左肩から裾に掛けて薄くヤケ?汚れがありますが、
その分プライスに反映していますので、
気にならない方はお買い得かと。
そして先ほどご紹介中にスナップボタンが付く~
と引き合いに出したのが、
40's Vintage Royal Navy "Monty" Duffle Coat Made in England
Color : Camel , Size : - , L~XL くらい
Price : ¥58,000 (Taxin ¥63,800)
こちら。Monty 自体70年代まで作られているようで、
裾裏のタグが切り取られてしまっているので、
正確な年代は不明ですが、
この生地の風合いやスナップの重厚感、
ウッディなボタンの風合いから、おそらくこちらも40年代。
最初にご紹介したモンティはフロントのトグルが4つでしたが、
こちらは 3つボタンタイプ。
で、このフード周りのスナップはどう使うかといいますと、
チンストも留めて、スナップを留めると、
↑のような感じでバラクラバ/目出し帽に。
極寒の甲板で作業することを想定としたヘビーデューティーな作りです。
また先ほどの個体はやや目立つ汚れがありましたが、
こちらの個体は多少の汚れくらいでコンディションも上々。
キャメルカラーでウール物、そして無地と聞けば
虫食いが目立つイメージが先行してしまいますが、
こちらは非常に良い状態を保った一着と思います。
Model : 173cm / 73kg
先程のスナップが付いていない個体より
一回りくらい大きく感じますが、
このパワーを感じるシルエットが最高。
男らしくガバッと羽織る洋服はこれくらいデカくて良い。
そんな男気溢れた方にはうってつけな堅牢なダッフルコート。
冒頭でも述べましたが機能性重視であれば、
今の洋服の方が暖かいし、軽いし、使い勝手が良い。
けどもやはり着ると分かる "オリジナル/元祖" の洋服の良さ。
そんなヴィンテージウェアらしい良さを体感してみてはいかがでしょう。
- Styling with Royal Navy Duffle Coat -
ローテクのアウターにローテクのインナーで。
この内側に差し込んだニットもご紹介いたしますので、
タカノ