古着物語 第九話 70505との出会い

少し期間が空いてしまいましたが、


続きです。(他の話はこちら→第一話第二話第三話第四話第五話第六話第七話第八話)


前回、デニムセットアップの着こなしに衝撃を受けた当時の私でしたが


実は 当時の学校の同級生たちは、上下揃って制服みたい、という感じで


自分の周りではあんまり、というか全く、セットアップは人気がありませんでした(笑)


でも私はセットアップに不思議と抵抗がなかったんです。


今思えばですが、家庭環境の影響があったかも。


私の父も経営者でしたが、椅子に座っているタイプでは全くなく


とにかく現場第一で、


常に上下ボロボロのワークウェアでした(笑)。


ワークウェアって上下揃いのカラーがやっぱり多いですから、


そういった意味で見慣れていたし、どこか憧れもあったのかもしれませんね。


さて、話は戻り翌週には


さっそくアメリカ屋へ連れていってもらいます。


この頃にはアメリカ屋は自分にとって困った時の駆け込み寺でしたね(笑)


そして相変わらずワクワクする場所でした。


今回も以前手に入れたLEVI’S BOOKでしっかり予習済み、馴染みになった店員さんに


「あの〜Gジャンが欲しいんです、このゴーマルイチに合わせたくて」


その時の、詳しい内容はさすがに忘れましたが、店員さんに


若いのに渋いね、すごいね、みたいに褒めてもらえて嬉しかった記憶があります。


現代も場所やお店にもちろんよると思いますが


当時は店員さんとの距離が心理的にけっこう近かった。


まあ、ただ仲良くなるまでがめちゃくちゃ遠くて(笑)でもそのどこか


もどかしい感じもまた、好きでしたね。


さて、それだけに店員さんも一度仲良くなると、しっかり自分にフィットしそうなものを


オススメしてくれる。その時 私が希望していたGジャンはサイドポケット付きの


Gジャン(たぶん 70506)でした。理由は横ポケットがあって便利そうだから(笑)


だけど店員さんは


「確かにそれも良いね。でも1着目だよね?だったらやっぱりコッチがオススメだな。」


といって手渡してくれたのが確か、王道の70505だったんですよね。


今では希少になってきた90’sの70505も


当時はもちろんバキバキのフラッシャー付き状態で並んでいましたね。


そして 着てみるともう最高、頭の中では想像していたけど


予想以上にカッコよくて(私でなくGジャンがです笑)


洋服好きにとって、好きな服に出会ったあの瞬間というのは、、、やっぱり


かけがえのない、至高の瞬間ですよね。


ハマる事の醍醐味というか。まさに出会ってしまった瞬間というか。


そして店員さんのセットアップも70505 & 501だった事もあって


オススメ通り70505を購入。


これで当時の私もリーバイスのセットアップ&コンバースと


最低限の装備を手に入れました(笑)


そして70505をきっかけに557(3rd)、507(2nd)、506(1st)と


ハマっていくことになります。


好きなものができる事、というのは世界が広がっていくという事、ということが


大人になって 今 分かるようになりましたが


本当にあの時の店員さんには感謝ですね。


たぶん続きます。(閉店後もリーバイス編くらいは

書き切りたいたなあ、と思っていまして。次回はまだ未定です)


私物の 70505です。さすがに当時買ったものではないけれど

古着って、自分が着ていなくとも"誰かが育ててくれている"という感覚が

あって、手に入れた瞬間から不思議と体に馴染みますし、

どこか懐かしく感じることも。こちらも10年ほど前かな?買った時から

妙に馴染み、お気に入りです。

LEVI'S BOOK 1991 から当時の70505や70506。

記憶では2色展開で、画像の色落ちしたものと濃紺の2色でしたね。


以上、古着物語でした。



さて、ここからは少し雑談を。全く話は変わりますが


閉店まで あと一週間ほどとなりまして


でも実は倉庫にはまだまだご紹介出来てない 


新規商材もたくさんで(笑)


なるべく巻きでご紹介していきないなと思います。


また、お客様から、紹介しきれなかった商品や


残った店頭の商品はどうするのですか?


とたまにお問い合わせ頂くのですが


金銭的に困っているという訳でもありませんし


全て普通に倉庫にそのまま取っておくと思います(笑)


安売りしたり卸したりとかは考えておらず、


いつかは、とはなりますが またお店もどこかでやれたらな、と思っていますから、


在庫をそのまま残す事は


未来の自分自身への希望と目標を与えてくれるものでもあるんですよね。


そして今日書いた古着物語のように、


倉庫に眠る古着たちもいつか誰かと素敵な出会いができますように。


そう言った感じでして、あと少し、よろしくお願いします!


渋谷