INVERTERE Duffle Coat & VTG Fisherman Knit
先週末に続き、本日もダッフルコートのご紹介です。
元々は北海の漁師の作業着で、
第二次大戦時に英国海軍に採用された云々の歴史の話はさておき、
皆さんは、ダッフルコートには大きく分けて、
二つのタイプがあることはご存知でしょうか。
一つは、Gloverall "Monty" に象徴される、
海軍仕様の「モンティ」型。
木製のトグルに麻紐のストラップ、
ガシッと堅牢なウール生地を用いた、
質実剛健な作りが特徴的。
もう一つは、MONGOMERY社が開発した、
タウンユース仕様の「ウィンザー」型。
無骨な防寒着であったダッフルコートですが、
60〜70年代、英国老舗MONTGOMERY社が生地、縫製を刷新し、
水牛のトグルホーンにレザーストラップ、
柔らかいヘリンボーンウール生地を用いた、
ダブルフェイス仕様のダッフルコートを開発。
これが、「ウィンザー」です。
90年代、名だたるフランスの高級メゾンブランドが
こぞって「ウィンザー」型ダッフルコートを発表しました。
"INVERTERE Duffle Coat"
そんなダッフルコートの無骨なイメージを覆し、
ファッショナブルなオシャレ着としてのイメージを定着させた、
「ウィンザー」型のダッフルコート。
今回は「ウィンザー」型ダッフルコートを語るうえで、
避けては通れない、INVERTEREの逸品をご紹介したいと思います。
INVERTERE x Joshua Ellis Herrinbone Wool Duffle Coat
Made in England
Color: Brown , Size: 38, 40, 42
Price: ¥168,000 (¥Tax in 184,000)
1904年創業の英国老舗 INVERTEREは、
90年代、高級生地メーカー「MOORBROOK」社の傘下として、
同社の生地が使われたダッフルコートを
名だたるフランス高級メゾンブランドに供給していた実績のあるブランド。
生地は Joshus Elis社のヘリンボーンウールのカットパイル。
肉厚で、非常に柔らかいタッチが魅力的な高級ファブリック。
かつてHERMESをはじめ、仏メゾンブランドがこよなく愛した、
「MOORBROOK」社のヘリンボーンウール生地。
Moorbrook社が倒産したことによって、
どのメーカーも再現不可能な幻の生地となっていたのですが、
なんとJoshua Elis社はMOORBROOK社が保有していた、
世界に4台しか存在しない旧式の織機を3台買い上げ、
MOORBROOK社の幻のヘリンボーンウール生地を再現することに成功。
凹凸のはっきりと出た生地の表面。
惚れ惚れする風合いの良さ。
「ウィンザー」型、お約束の水牛トグル&レザーストラップ。
生地に負けない高級感を漂わせるパーツ使いがこれまた秀逸。
この美しいドレープは「MOORBROOK」ヘリンボーンウールを受け継ぐ、
Joshua Ellis製の生地ならでは。
贅沢なダブルフェイス仕様。
よく見てみると、生地の表面の凹凸感が裏地には全く出ていないんですよね。
さすがはINVERTEREといったところで、群を抜く作りの良さ。
デザインから生地使い、縫製まで非常な拘りを感じさせますね。
(着用モデル 170cm 60kg / 着用サイズ 40)
Joshua Eliissのウール生地の良さは、生地感・風合いだけでなく、
その軽量さにもあります。
そのままの状態で持つとそれなりに重さは感じますが、
着用して肩に乗るとこれが驚くほどの軽さ。
この軽さに慣れてしまうと、
「モンティ」型には戻れなくなりそう…(笑)
ジャストサイズで着るのもよいですが、
ゆったりと、生地のドレープを楽しむ
大き目サイズをバサッと羽織るような着方もオススメ。
豊富なカラーバリエーションも「ウィンザー」型の魅力で、
暗い灰みのバンダイクブラウンの他、
INVERTERE x Joshua Ellis Herrinbone Wool Duffle Coat
Made in England
Color: Olive , Size: 40, 42
Price: ¥168,000 (¥Tax in 184,000)
織部のような深みのあるオリーブ。
INVERTERE x Joshua Ellis Herrinbone Wool Duffle Coat
Made in England
Color: Black , Size: 38, 40, 42
Price: ¥168,000 (¥Tax in 184,000)
艶のある漆黒のブラック。
当店では、以上の三色をご用意しております。
色感・着用感含め、是非一度お試しいただき、
「本物」のダッフルコートの良さを体感していただきたいと思います。
Styling...
Knit : Corgi Knitwear Cashmere Turtle Neck Sweater
Pants : Berwich "Scotch" Canonico Wool Flannel Trousers
Shoes : John Lobb "Newlyn" Jodhpur Boots
僕のイチオシ、ブラウンカラーでスタイリング。
カシミアのタートルネックニットと
カノニコのウールスラックスを合わせ、
リラックス感のある、上品な雰囲気に仕上げました。
色味はモノトーン調をチョイスし、
アウターのカラーが映えるように意識しました。
足元には同系色のレザーブーツを添えて、色合い・雰囲気を調和。
ご参考までに。
さて、冒頭の話に戻りまして、
北海の漁師が愛用していた作業着といえば、
こちらも忘れてはなりません。
"Vintage Fisherman Knit"
古くから漁師たちに愛されたことで、
その名がつけられたフィッシャーマンニット。
過酷な自然環境下で働く彼らにとって、
防寒・防水性に優れたニットウェアは必需品でした。
フィッシャーマンニットと一口に言っても、
地理的・文化的条件によって、その形態は様々。
今回は改めて代表的なフィッシャーマンニットのルーツを紐解きつつ、
商品紹介をしたいと思います。
Vintage Le Tricoteur Guernsey Sweater
Made in Guernsey Channnel Islands
Color : Navy , Size: Lくらい
Price : ¥14800 (Tax in ¥16,280)
英仏海峡に位置するチャンネル諸島、
その北西に浮かぶガンジー島発祥のガンジーセーター。
フィッシャーマンセーターの元祖と言われています。
こちらは、伝統的な製法を今に伝える、
LE TRICOTEURの一枚。
ガンジーセーターの特徴は、
タイトな織りの堅牢なウール生地。
油分をたっぷりと含んだ羊毛から紡がれる、
撚りの強い糸で編むことで、高い耐久性・保温性を実現しています。
艶のある独特な生地の風合いが素晴らしいです。
そして、継ぎ目のない作りとタイトなシルエット。
これにより、抜群の防風・防水性を発揮します。
また、平面的かつ直線的な作り。
闇に閉ざされる海原で、漁師が前後を気にすることなく着用できるよう、
ガゼットや、前下がり・後ろ下がりなどは配されていません。
脇下には、ダイヤモンドガゼットと呼ばれるマチがつきます。
襟ぐりにもマチが。
さらに、裾にはスリットが入ります。
このように、タイトなフィットながらも
運動性を高める工夫が各所に施された、
極めて実用性に優れた一枚で、
(着用モデル 174cm 65kg)
それゆえの、機能美 / 保温性の高さは随一。
この独特なシルエット、クセになりますね。
ヴィンテージニットの中でも、
高い人気を誇る理由が窺い知れます。
LE TRICOTEURのガンジーセーター、もう一枚ご用意しております。
Vintage Le Tricoteur Guernsey Sweater
Made in Guernsey Channnel Islands
Color : Navy , Size: Lくらい
Price : ¥12,800 (Tax in ¥14,080)
元来タイトに着用することを
想定して作られらガンジーセーター。
が故にサイズに悩まされる方も多くいらっしゃるかと思いますが、
(着用モデル 170cm 60kg)
こちらはゆとりのある大き目サイズ。
平面的なパターンだからこそ大きくきると
愛嬌のある丸い形に。
今のファッションですと、
サイズアップして、ゆったりと着るのも気分でしょうか。
ややダメージがあるので、少しお安めに。
着用に支障はありませんので、ご安心ください。
他にも、
Vintage Guernsey Sweater Made in Jersey British Isle
Color : Navy , Size: 実寸Sくらい
Price : ¥12800 (Tax in ¥14080)
こちらはブランド不明ですが、ジャージー島メイドの一枚。
こちらは、胸にアンカーマークがデザインされた一枚。
袖先、裾にリブが配された、気の利いた作り。
(170cm 60kg)
ジャストサイズで着てみると、
肌に吸い付くような抜群のフィット感を味わえます。
是非お好みのサイズ感でお楽しみください!
続いてはガンジーセーターとはまた異なる、
Vintage GAELTARRA 100% Wool Alan Sweater
Made in Republic of Ireland
Color : Natural , Size : M
Price : ¥9800 (Tax in ¥10780)
アイルランド発祥のフィッシャーマンニット、アランセーター。
20世紀初頭、スコットランド人によって持ち込まれた、
ガンジーセーターが元となって生まれたとされています。
アランセーターの特徴は、綱状の編まれるケーブル編み。
今では装飾的な意味合いが強いのですが、
元々は漁に使うロープや命綱を意味したそうです。
アランセーターらしい、
ざっくりとした編みの雰囲気が最高です。
袖付けは、サドルショルダー。
(着用モデル 170cm 60lg)
フィット感がよく、快適な着心地。
肩のラインが出にくいので、
肩幅の広い方でも、袖を通しやすいかと。
縮みはほとんどなく、グッドサイズです!
本家家元なアイルランド製という点も◎。
Highland Craft Pure New Wool Lopi Sweater Made in Scotland
Color : Brown , Size : 42
Price : ¥9,800(Tav in ¥10,780)
アイスランド発祥のフィッシャーマンニット、ロピーセーター。
16世紀にはすでに存在し、着用されていたとされますが、
現在のような模様入りのものとなったのは、
19世紀後半から20世紀前半と考えられています。
アイスランドの羊毛から作られた、
太いロービング状の紡糸である、
ロピー・ヤーン(Lopi Yarn)で編まれることから、
その名がつけられたロピーセーター。
伝統的なロピーセーターは、
撚りがかけられる前の状態(ロピー)で編まれるため、保温性抜群。
氷の国で暮らす人々の知恵が生んだニットとも言えるでしょう。
スコットランド製のこちらに用いられた生地は、
ピュアニューウール100%。
フカフカと柔らかい生地感が魅力的です。
ロピーセーターの最大の特徴と言えば、求心編みで編む「丸ヨーク」。
肘上から身頃まで一体となった、円形型の民族的な模様は
見る者を惹き付けます。
袖先や裾にも模様が配されることが一般的です。
こちらの一着は、濃淡のブラウンカラーの使い分け、
柄のパターニングなどデザインが秀逸です。
(着用モデル 170cm 60kg)
ピュアニューウールが用いられているため、
チクチク感はさほど感じず、肌触りよし。
また、厚手の生地ながらも、非常に軽いため、
快適な着心地です。
ハイネック仕様なので、首元までポカポカと暖かいです。
現行品では味わえないウールの風合いと
お求めやすい価格が魅力的な古着ニット。
まだまだ厳しい寒さは続きますので、
今季ニットを買い逃しているという方は、
この機会にいかがでしょうか。
以上、商品紹介でした。
OKUBO